虫歯と補綴物の種類について
こんにちは!
医療法人社団SED汐入駅前歯科の松本・阿部・橋口です。
寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
体調に気をつけてお過ごしください。
さて、今回は『虫歯の種類』についてです。
まず虫歯とは口の中の菌が出す酸によって歯が溶けている状態のことを指します。
原因となる菌は、歯の表面についた歯垢(プラーク)にすみつき、糖を栄養にして酸を出します。
虫歯は進行度によってco、c1、c2、c3、c4という種類に分けられま
す。
それぞれに異なる治療法が適応になっていきます。
それでは虫歯の種類についてご説明していきます。
・co(要経過観察の虫歯)
穴はあいていないが、虫歯になりかけた跡の変色がみられます。
歯は常に溶けたり、硬くなったりしています。
溶ける時間が長いと溶けて、白色に変化しますが長期的に繰り返すと、薄いベージュから薄茶色、黒褐色へと変化していきます。
・c1(エナメル質のみの初期の虫歯)
歯の表面のエナメル質のみに虫歯が進行した状態。この段階では痛みが出ないこともありますが、冷たい物がしみたりします。
・c2(象牙質まで進行した虫歯)
エナメル質より中にある組織(象牙質)まで虫歯が進行した状態。
神経には達していませんが、冷たいものや甘いものがしみたり、痛みが出たりといった症状がおこりま
す。
・c3(神経まで進行した虫歯)
神経(歯髄)まで虫歯が進行した状態。
冷たいものに限らず、熱い食べ物でもしみたり、痛みが出たりします。
何もしなくてもズキズキと痛みが出ることもあります。
・c4(残根状態になった虫歯)
歯の根っこだけが残っている状態。
虫歯を放置したことにより、歯の頭(歯冠)が崩壊して細菌感染した神経(歯髄)が露出して、根っこだけになってしまった状態です。
そのままにしておくと、歯の周りの骨が溶けて、歯の根っこの先に膿がたまり痛みが出たりします。
根から膿が出ている場合は、強い口臭を引き起こします。
次に、虫歯の治療方法についてです。
虫歯の治療方法には基本的に3つの種類があります。
・削って詰め物をする
まず虫歯になってしまった所を削り、その削った部分に詰め物をしていきます。
・神経を抜いて被せ物をする
・抜歯
歯全体が悪くなってしまい神経も虫歯で侵食されているような状態です。
ここからは『自費の補綴物』についてお話しします。
そもそも補綴物とは…
虫歯の部分を削り取った穴のところに被せる被せ物、詰め物のことを言います。
虫歯の範囲が小さければコンポジットレジンのプラスチック性の合成樹脂の材料で埋めることができますが、大きい範囲の虫歯や神経を取らざるを得ず根管治療後のところに関しては何かしら被せて覆う必要があります。
補綴物には大きさによって呼び名が変わります。
In (インレー)・・・小さく溝に沿って埋めるほどのもの。
On (アンレー)・・・大きく歯の大部分を覆うほどのもの。
Cr (クラウン)・・・歯の全体を覆うもの。
保険診療ではいわゆる銀歯と呼んでいる金銀パラジウム合金の素材の金属の物が主となります。
一部の部位で使用可能なCAD/CAMと呼ばれるプラスチック製の白い素材の物も保険適応とはなりますが、耐久性が低いため力がかかりやすい場所にはあまり適さない場合があります。
「自費診療なんて白くて見た目をよくするだけでしょ?」なんて思っていませんか?
もちろん審美的な面でも自費の補綴物の方が本来の歯の色に近く目立ちにくいものにできます。
しかし審美的な面以外に健康面でのメリットもあるのです。
自費診療の補綴物のメリット
①耐久性
お口の状況でしたり、ケアの仕方によってその方々で保てる年数は異なりますが、同じ状況下で比べると保険診療の
銀歯よりも自費診療の補綴物の方が長持ちすると言われています。
②健康面、機能性
保険診療の銀歯ですと経年劣化で歯と銀歯の間に隙間ができ、そこから細菌が入り込み再び虫歯になってしまうことが発生します。
その点自費診療の補綴物ですと腐食がしにくい補綴物や、年数が経っても溶けにくい光で固めるレジンセメントの接着剤を使用することができ、保険診療の銀歯に比べ再び虫歯になることが予防することができます。
③審美面
ご自身の白い歯に近い色で目立ちにくいものをお作りすることができます。
それではいくつか種類がございますのでそれぞれの強みをご紹介いたします。
◇プレミアムセラミックス
前歯から小臼歯に適応。
透明度が高く周りとの親和性が良い。
自分の歯と同じぐらいの硬さと言われている。
◇プレミアムダイヤⅡ
大臼歯に適応。
人工ダイヤモンドと同じ素材で割れにくく、欠けにくい。
強度があるのが特徴。
噛む力が強い方におすすめ。
◇プレミアムジルコニア
前歯に適応。Cr(クラウン)のみ対応可。
内側がジルコニア、外側がセラミックス。
色が単色ではなくグラデーションにできるのが特徴。
審美面を気にされる方におすすめ。
現在症状はないけれど、銀歯から自費の補綴物へやり直しを希望される方も多くいらっしゃいます。
ここからは『入れ歯とブリッジとインプラントの違い』についてです。
虫歯や歯周病など何らかの原因により、失ってしまった歯を補う為の治療法は3つあります。
▼入れ歯(義歯)
歯が残っている場合、部分入れ歯(部分義歯)といいクラスプという金属のバネを健康な歯にかけて使います。
歯が残っていない場合、総入れ歯(総義歯)といい歯茎全体に覆う形となります。
歯を大きく削る必要はない(バネがかかる部分は少し削る)ですが、硬いものが噛みにくかったり、物が挟まる、違和感がある、クラスプ(金属のバネ)が見えて見た目が悪いなどのデメリットがあります。
また、クラスプ(金属のバネ)がかかる歯に負担がかかる為健康な歯にダメージを与える可能性があります。
部分入れ歯にはクラスプ(金属のバネ)が目立たない保険適応外のノンクラスプデンチャーという入れ歯もあります。
お手入れが不十分だと口臭が発生しやすくなり、クラスプがかかっている歯が虫歯や歯周病になりやすくなるので、毎食後は流水下で義歯用ブラシで清掃し、就寝前は義歯洗浄剤を使用し、お手入れしましょう。
▼ブリッジ
失った歯の両隣の歯を土台とし、橋渡しをするような形で噛めるようにしていく治療法です。
固定するので、異物感や噛む時の違和感が少ないのがメリットです。
しかし、支台となる歯は健全であっても大きく削らなくてはならず、支えとなる歯には負担がかかるのがデメリットです。
ブリッジは健康な歯に被せるような形になる為、若干の隙間ができてそこに食べ物カスなどの汚れが入りやすくなる為、歯間ブラシなどでお掃除する事が大切です。
▼インプラント
骨に人工歯根を埋め込む手術を行い、その上に人工歯を取り付けます。
健康な歯を削ったりする必要がなく、他の歯に負担をかけることがありません。
また、骨にしっかりとくっつく事で天然歯の時のような自然に近い状態で噛むことができます。
人工歯の見た目も自然なものが多い為、見栄えもいいです。
ただし、ブリッジや入れ歯と違い外科手術を行う必要があり、治療期間が長く、保険適応外の為費用も高額になります。
高血圧や糖尿病などの全身疾患やお口の状態によっては治療ができないケースなどもあります。
インプラントは骨としっかりと結合しますが、天然歯と比較すると粘膜との結合が弱い為感染しやすい欠点があるので、歯ブラシやフロスなどの器具を使い毎日の口腔ケアが必要になります。
さらに、医院での定期的なメインテナンスも必要になってきます。
口腔ケアをしっかりと行わないと、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)なる可能性もあります。
今回は虫歯の4つの段階と虫歯で出来た穴を埋めるための補綴物、欠損した所を補う方法についてご紹介しました。
種類は様々ございますが、その方に合ったものを担当医が選出しご提案いたします。
当院では治療の前後で専門のスタッフより補綴物についてどのようなものがあるかご説明させて
いただくお時間をお取りしております。
もし気になる点やご相談などご希望がございましたらお気軽に担当医やスタッフにお申し付けくださいませ。