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子どもから大人にかけての虫歯予防

こんにちは。

医療法人社団SED 汐入駅前歯科 歯科衛生士の松本、阿部、トリートメント・コーディネーターの橋口です。

猛暑続きの長い夏が終わりとなり、ようやく過ごしやすい季節となってきました。
秋はこの時期でしか食せないおいしい旬の食べ物が多いです。食事を楽しめるようにお口のケアもしっかり行いましょう。

今回は「子どもから大人にかけての虫歯予防」に関したお話しです。

突然ですが、皆さまは「混合歯列期」という言葉をご存知ですか? 

「混合歯列期」とは子どもの歯(乳歯)と大人の歯(永久歯)が混在している時期のことを言います。

それに対し、全ての歯が子どもの歯(乳歯)である時期を「乳歯列期」、全ての歯が大人の歯(永久歯)である時期を「永久歯列期」と言います。

乳歯から永久歯に生え変わる順番は、
乳歯の後ろから最初の永久歯の6歳臼歯が生え、前歯から順に生え変わり、最後に6歳臼歯の後ろ歯(前から7番目)の永久歯が生えます。

前から7番目の最後の永久歯が生えてくるのが12歳くらいです。

混合歯列期は6~12歳までの6年程度、ちょうど小学生の期間は継続すると言えます。

[混合歯列期の注意点]
①生えたての永久歯の虫歯に注意!
生え変わったばかりの永久歯は歯質がまだ未成熟です。酸に弱く2〜3年は虫歯になりやすいです。

②不揃いで歯磨きしにくい!
乳歯と永久歯が混在しているので大きさが不揃いな歯が凸凹に並んでいるのでとても磨きにくい状態です。
大人でも磨くのが難しいと言われているので、お子さまだけで磨くのはかなり困難だと思います。

永久歯はその後長年使い続ける歯なので、最初のまだ成長途中の時期からフッ素塗布をしてあげることで強い歯質にしていくことができます。

また、お子さま自身だけでは全てをキレイに磨くのは難しいので親御さまの仕上げ磨きが重要です。

仕上げ磨きはできれば12歳ぐらいまではしてあげると良いと言われています。

なかなか生え変わらない、乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこないけど大丈夫かなど心配になるかと思います。

3〜4ヶ月に一度程で定期検診にいらしていただくと経過観察でよいものか、早めに対処すべきなのかも診ることができ、不安な気持ちを軽減することができるかもしれません。

定期検診ではフッ素塗布や衛生士による歯磨きの仕方の指導もすることができるので虫歯リスクを減らすことができます。

歯並びについても矯正が必要か否かお悩みでしたら無料の矯正相談も設けておりますのでお声がけください。

お家でのセルフケアと医院での定期検診で虫歯リスクを減らしましょう!

 

定期検診では、フッ素塗布以外にシーラントという虫歯予防方法があります。

シーラントとは、奥歯の溝を虫歯から予防する方法です。

奥歯の溝を物理的に封鎖したり、シーラント材の中に含まれるフッ化物により再石灰化作用を促進したりします。

永久歯や乳歯の奥歯の咬合面(噛み合わせる面)にある溝をレジンの材料で埋めて、汚れを溜まりにくくすることで虫歯を予防する処置です。

シーラントの材料には「フッ化物」が含まれているものもあり、歯の再石灰化を促し虫歯に負けない強い歯を作ってくれる効果もあります。

シーラントに年齢制限はありませんが、シーラントをするのに適した時期は萌出から4年未満の歯などといわれています。
個人差はありますが、一般には9歳前後までです。

むし歯の発症リスクの高い歯に行うと効果的と言われています。

 

シーラントのメリットは2つあります。

・虫歯のリスクの低減
溝が埋められるので歯磨きしやすく、むし歯菌が増えにくいお口の環境を保つことができます。

シーラントにはデメリットもあります。
・取れたり欠けたりしてしまう
溝を埋めているだけなので、取れやすく欠けやすいです。
その場合は、再度埋めることが可能です。

・虫歯が全く出来ないわけではない
シーラントを行っても全く虫歯が出来ないわけではありません。
欠けたところから虫歯が侵入して、シーラントの下で虫歯が広がっているケースもあります。

シーラントはあくまで、予防的な処置であるため、虫歯にならないわけでもなく、定期検診や予防ケアが必要になります。

1番は、しっかりと歯ブラシをしてむし歯の原因であるプラークを取り除くことが大切です。

乳歯や、生えたばかりの歯はむし歯になりやすく、むし歯になってしまうと早く進行してしまいます。
奥歯のむし歯は、気づかないことが多いため定期的に検診を受けましょう。

学校検診でむし歯がないと言われても、実際にはレントゲン等で調べてみないとわからないむし歯もあります。

子どものお口の中は、歯の生え変わりや顎の成長があり、歯並びを変化していきます。

こうした成長発育に関することも検診でチェックしてもらいましょう。

また定期検診では、フッ素を塗布することが有効です。

歯に直接フッ素を塗布すると、歯質をよくし虫歯に強い歯にしてくれます。

フッ素塗布は効果的な虫歯予防法の1つです。

▼フッ素の作用
・歯の再石灰化を促進
食べ物に含まれる糖質を使って細菌が酸を作り、その酸によって歯に含まれるカルシウムやリンを溶かし始めます。(これを脱灰といいます。)
脱灰をしても、口の中の唾液が、細菌の作り出した酸を中和して洗い流したり、溶けだしたカルシウムやリンを元に戻す働きをしてくれます。(これを再石灰化といいます。)
歯の近くにフッ素がいると、カルシウムやリンが引き寄せられ、再石灰化が促進されます。

・細菌の酸の生産を抑制
フッ素には虫歯原因菌の活動を抑制する効果もあり、歯を溶かす酸を作られるのを抑えます。

・歯質を強化
歯の成分(エナメル質)はハイドロキシアパタイトと言われる結晶を作っています。(この結晶は酸に弱く壊れやすいです。)
フッ素が歯に作用すると、より酸に強いフルオロアパタイトという結晶に変わり、酸で溶けにくい歯質を作ります。

子供の乳歯と永久歯の生え変わりの時期は特に注意が必要です!
乳歯や生えたての永久歯は、歯が柔らかくて虫歯になりやすく、生えたての永久歯は歯ブラシが当てづらかったりと、虫歯になるリスクが高い時期です。

 

▼歯科医院と自宅で行うフッ素塗布の種類

・歯科医院で行うフッ素塗布
歯科医院で高濃度のフッ素を歯に直接塗布する方法です。塗布後はうがいは避けて、30分程は飲食を控えましょう。
3ヶ月に1度程度、継続的に塗布する事をおすすめしています。

・自宅で行うフッ素塗布

○フッ素配合歯磨き粉
市販で販売されているフッ素入りの歯磨き粉を使用する事で虫歯予防に繋がります。
就寝中は唾液が少なくなるので、フッ素が口腔内に残りやすい就寝前のブラッシングに使用するのがおすすめです。
虫歯予防の効果を高めるには、長い時間フッ素が留まっている事が大切です。歯磨き粉の量やブラッシング後のうがいの方法にも気をつけましょう。

○フッ素ジェル
食後や就寝前に使用します。単体でも歯磨き粉の後に使うのでも大丈夫です。
使用後はうがいせず、唾と一緒に吐き出します。

○フッ素洗口液
フッ素を配合した液でブラッシングした後に使用します。
刺激が苦手な方はノンアルコールタイプの物がおすすめです。

 

▼フッ素配合歯磨き粉使用量
・歯が生えてから2歳
米粒程度(1~2mm程度)
フッ素濃度1000ppmまで

・3~5歳
グリーンピース程度(5mm程度)
フッ素濃度1000ppmまで
うがいは5~10mlで1回ゆすぐ

・6歳〜成人、高齢者
歯ブラシ全体(1,5cm~2cm程度)
フッ素濃度1500ppmまで
うがいは15mlで1回

 

▼う蝕抑制率

う蝕抑制率とは虫歯の予防効果を示します。

・フッ素入り歯磨き粉 15~30%

・フッ素塗布 20~50%(永久歯)

・フッ素洗口剤 20~50%(永久歯)

・シーラント 40~70%

(松久保隆、眞木吉信共著:口腔衛生学会、一世出版、2002より引用)

 

ご家庭でもフッ素を塗っている方も多くいるかと思いますが、

歯科医院で塗布できるフッ素はご家庭で使用できるフッ素のおよそ10倍の濃度があり非常に高い効果が期待出来ます。

 

フッ素は一度塗ったからといってすぐに効果が出るわけではなく、

定期的に(3,4か月に一度)塗布することによって虫歯の予防効果を持続させます。

 

歯科医院での、シーラント、フッ素塗布やご家庭でのフッ素入り歯磨き粉、洗口剤の使用など、

これらは併用することで虫歯の予防効果は増加するとされています。

 

基本的にフッ素は使用方法を大きく逸脱しない限りは安全にお使い頂けます。
また、フッ素を塗布していれば虫歯にならないという訳ではないので、ブラッシングやフロスなどのセルフケアと歯科医院での定期検診も大事になります。

お電話にて定期検診、ご相談などのご予約を承ります。
お気軽にご連絡ください。

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