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おしゃぶりはいつまで使うべき?歯並びへの影響とやめ方のポイント

おしゃぶりは赤ちゃんの育児において欠かせないアイテムの一つです。赤ちゃんが泣き止まないときや、眠りにつく前に安心感を与える役割を果たし、親御さんにとっても育児を助ける便利な存在です。しかし、その一方で、長期間使用することで歯並びや顎の発育に悪影響を与える可能性があることをご存じでしょうか。「おしゃぶりはいつまで使っていいのだろう?」と悩む親御さんも少なくありません。

汐入駅前横須賀の当院では、おしゃぶりに関するご相談もいただいており、親御さんと一緒にお子さまの健やかな成長をサポートしています。おしゃぶりの使用期間や影響について正しい知識を持つことで、歯並びの乱れや噛み合わせの問題を未然に防ぐことができます。本記事では、おしゃぶりをやめる適切なタイミングやスムーズに卒業させる方法について詳しく解説します。

■おしゃぶりの役割と注意点

〇赤ちゃんにとってのおしゃぶりのメリット

おしゃぶりは、赤ちゃんにとって情緒を安定させる大切なツールです。吸啜反射(吸う動作)によって安心感を得られるため、眠りにつきやすくなるだけでなく、不安定な感情を落ち着かせる役割も果たします。また、親にとっても赤ちゃんの機嫌を整えやすくなるため、育児のストレスを軽減する助けになります。

〇おしゃぶりの長期使用によるリスク

おしゃぶりは長期間使用を続けると歯並びや顎の発育に悪影響を及ぼすリスクがあります。特に2歳半以降まで使い続ける場合、その影響が出やすいとされています。

 

・上顎前突(出っ歯)

おしゃぶりを長時間吸い続けることで、前歯に圧力がかかり、上顎の前歯が突出する「上顎前突」が生じることがあります。この状態は、いわゆる「出っ歯」と呼ばれるもので、見た目だけでなく、発音や噛み合わせにも影響を与える可能性があります。

 

・開咬(前歯が噛み合わない状態)

おしゃぶりの形状や吸引の強さが原因で、上下の前歯が閉じない「開咬」が発生する場合があります。開咬は、歯が正しく噛み合わないため、食事中に食べ物をうまく咀嚼できなかったり、発音が不明瞭になったりなどの問題を引き起こすことがあります。また、舌が前方に押し出される「舌突出癖」が併発することもあり、さらに問題が複雑化することもあります。

・口呼吸の習慣化

おしゃぶりを使い続けると、赤ちゃんが口を閉じたまま呼吸することが難しくなり、口呼吸が習慣化するリスクがあります。これは、本来舌が上あごに上がっている状態をおしゃぶりの乳首が邪魔をするために起こります。舌が上あごについていると舌が邪魔をして口で息をすることができませんが、舌が下がるとくちで息ができてしまい、口呼吸の原因になります。口呼吸は、歯並びの乱れや顎の成長に影響を与えるだけでなく、口腔内が乾燥しやすくなるため、虫歯や歯周病、さらにはアレルギー性疾患を引き起こしやすい環境を作る可能性があります。

 

・顎の発育への悪影響

おしゃぶりの長期使用は、上下の顎の成長バランスに悪影響を及ぼすことがあります。特に下顎が引っ込んだ状態になる「下顎後退」が見られることがあり、これが顔全体のバランスに影響を与える場合があります。顎の発育が適切に進まないと、将来的な矯正治療が必要になることも少なくありません。

 

・噛み合わせの問題

おしゃぶりの長期使用により、奥歯の位置や形状に影響を及ぼすこともあります。乳臼歯(奥歯)の噛み合わせがずれると、食事中の噛む力が偏り、顎関節症や消化機能の低下につながることがあります。

 

・自然な成長への妨げ

おしゃぶりを使い続けると、舌や口の筋肉の自然な成長が妨げられることがあります。舌が正しい位置に収まらない場合、将来的にスピーチ(発語)に影響を与えることも考えられます。また、咀嚼や飲み込みの動作に支障が出る可能性もあります。

 

・精神的な依存

おしゃぶりを長期間使用することで、精神的な依存が形成される場合があります。おしゃぶりがないと眠れない、落ち着かないといった状況になると、卒業する際のストレスが大きくなり、親子ともに負担が増すことがあります。

 

当院の小児歯科では、おしゃぶりの影響を早期に発見するための定期検診を推奨しています。特に、小児矯正を視野に入れることで、早期の予防や治療が可能になります。

 

■おしゃぶりはいつまで使うべき?

日本小児歯科学会では、1歳すぎから少しずつおしゃぶりをやめる練習を始め、2歳半までに完全にやめることを推奨しています。

1歳半や2歳の時点で、おしゃぶりの使用による軽度の歯並びの乱れが見られる場合でも、このタイミングで使用を中止すれば、顎や歯の成長によって自然に改善されることが多いとされています。乳幼児期の歯や顎は柔軟性があり、発育の過程で自ら形を整える能力が高いため、早めの対処が重要です。

一方で、乳臼歯が生え揃う2歳半~3歳を過ぎてもおしゃぶりを使い続けると、歯並びや噛み合わせの問題が固定化しやすくなる可能性があります。この時期には乳歯列が安定し始めるため、おしゃぶりの吸引による力が歯列に定着的な影響を与えやすくなります。

■おしゃぶりをスムーズにやめるための方法

 

おしゃぶりを手放すのは、子どもにとっても親にとっても簡単なことではありません。

おしゃぶりをスムーズに卒業させるための具体的な方法やポイントをご紹介します。

 

〇使用を最小限にする工夫を

 

おしゃぶりを常用する習慣がつくと、手放すのが難しくなることがあります。そのため、必要なときだけ使用することを意識しましょう。たとえば、赤ちゃんが強く泣き出したときや眠りにつくときに限定し、その他の時間は使わないようにします。すでに常時使用している場合は、1歳を過ぎた頃からおしゃぶりフォルダーを外すなどして、使う頻度を徐々に減らす準備を始めることがおすすめです。

 

〇親子のふれあいを増やす

おしゃぶりを手放すには、赤ちゃんが安心感を得られる代替手段を提供することが大切です。たとえば、赤ちゃんが遊びたいときには一緒に遊び、泣いているときには抱っこしたり、声をかけたりして、不安を和らげる工夫をしましょう。赤ちゃんが満足感を得られる環境をつくることで、自然とおしゃぶりへの依存が減少していきます。

 

〇遊びの幅を広げる

 

2歳頃になると、赤ちゃんの活動範囲が広がり、体を動かすことへの興味が強まります。この時期には、ボール遊びやおもちゃを使った遊びを取り入れることで、赤ちゃんが夢中になり、おしゃぶりを使う時間が減ることが期待できます。また、外での遊びやお散歩など、体をたくさん動かす活動を増やすことで、自然とおしゃぶりへの執着が薄れていくことが多いです。

 

〇 徐々に減らす環境づくり

おしゃぶりを急にやめさせるのは赤ちゃんにとってストレスになる場合があります。そのため、段階的に頻度を減らすことが重要です。まずは日中の使用を控え、寝るときだけに限定する方法がおすすめです。さらに、遊びや活動を通じておしゃぶりを忘れる時間を増やすことで、少しずつ依存を減らしていきましょう。

 

〇小児歯科に相談する選択肢も

3歳頃までに多くの子どもがおしゃぶりを自然に卒業しますが、4歳以降も手放せない場合は、口の発達や機能に影響が出ている可能性も考えられます。その場合は、かかりつけの小児歯科や小児科医に相談し、専門的なサポートを受けることが大切です。

 

■おしゃぶり卒業は成長への一歩

おしゃぶりは赤ちゃんにとって重要なアイテムですが、2歳頃までにやめることで歯並びや顎の発育への悪影響を防ぐことができます。「おしゃぶりいつまで使えばいいのか」と悩んだら、まずは小児歯科での相談をおすすめします。

 

汐入駅前横須賀の当院では、小児矯正や小児歯科の専門知識を活かし、お子さまの健康な成長をサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

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