鼻呼吸のメリットとは?子どもの顔にも関係するって本当?
呼吸は、単に「酸素を体内に取り込む行為」と考えがちですが、実際にはその方法が健康に深く関係しています。特に、鼻呼吸と口呼吸の違いが、子どもの成長や健康に大きな影響を及ぼすことをご存じでしょうか?
鼻呼吸には数多くのメリットがあり、一方で口呼吸にはさまざまなリスクがあります。
この違いは、小児歯科や小児矯正でも重要視されており、早期に対策することで子どもの将来的な健康や成長を守ることができます。
■鼻呼吸のメリット
鼻呼吸は、私たちの健康や成長に大きな影響を与える重要な習慣です。特に、成長期のお子さんにとっては、鼻呼吸をすることで多くの健康効果を得られます。
1.口や喉の乾燥を防ぐ
鼻は「天然の加湿器」として機能し、吸い込んだ空気を適度な湿度と温度に整えて体内に送り込みます。
これにより、口や喉の乾燥を防ぎ、健康な口内環境を維持することができます。
乾燥した口内は虫歯や歯周病、口臭の原因になりますが、鼻呼吸を習慣化することでこれらのリスクを軽減できます。
特に小児歯科では、虫歯予防の観点から鼻呼吸の重要性が強調されており、お子さんの口内環境を守るためにも大切な習慣といえます。
2.感染症やアレルギーのリスクを軽減
鼻には、異物を取り除くフィルターとして鼻毛や粘膜が備わっています。
このフィルターがウイルスや細菌、埃、アレルゲンを絡め取り、体内への侵入を防ぎます。
一方で、口呼吸を続けると、異物が直接体内に入りやすく、感染症やアレルギーのリスクが高まります。
例えば、花粉症や喘息を持つお子さんでは、鼻呼吸を習慣化することで症状が悪化しにくくなると考えられています。
3.酸素供給が効率的に行われる
鼻呼吸では、酸素と二酸化炭素のバランスが整い、体内に効率よく酸素を供給できます。
このバランスが崩れると、酸素が必要な場所に十分に届かず、疲労感や集中力の低下を引き起こすことがあります。
特に成長期のお子さんにとっては、十分な酸素供給が脳や身体の発達に欠かせません。
鼻呼吸はゆっくりとした深い呼吸を促すため、副交感神経が働きやすくなり、リラックス効果も得られます。
これにより、睡眠の質が向上し、成長ホルモンの分泌が促進されることが期待できます。
4.顔の発達に良い影響を与える
鼻呼吸は、顔や顎の骨格の正しい発達を助けます。
鼻腔内に適切な圧力がかかることで、顎や顔の骨が前方に成長し、バランスの取れた顔立ちや整った歯並びを形成します。
反対に、口呼吸が続くと、上顎の発育が不十分になり、歯並びが乱れたり、顔が面長になったりなど、バランスを崩しやすくなります。
■鼻呼吸を習慣化するためにできること
鼻呼吸を自然に行うためには、日常生活の中での意識づけや適切なトレーニングが重要です。
特に口呼吸が習慣化している場合、放置すると健康や成長に悪影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が必要です。
ここでは、鼻呼吸を習慣化するための具体的な方法をいくつかご紹介します。
1.日常の生活習慣を見直す
鼻呼吸を妨げる要因の一つに、生活習慣があります。以下のポイントに注意することで、鼻呼吸を促す環境を整えることができます。
・姿勢の改善
正しい姿勢を保つことは、鼻呼吸を自然に行うための基本です。
鼻呼吸は横隔膜という呼吸筋を使った呼吸(腹式呼吸とも呼ばれます)です。
横隔膜が上下するためには肋骨の間が開いたり閉じたりする必要があるので猫背では肋骨が動きずらくなり鼻呼吸がしにくい姿勢です。
また首が前に出る姿勢は気道を圧迫し、口呼吸を誘発しやすくなります。
特に学齢期のお子さんでは、日常的に正しい姿勢を意識させることが大切です。
・鼻づまりの解消
アレルギー性鼻炎や風邪などで鼻が詰まっていると、どうしても口呼吸になりがちです。
これが慢性化すると口呼吸が癖になってしまうため、医師に相談して適切な治療を受けることが重要です。
家庭では、湿度を保つ、空気清浄機の設置(特にハウスダストが最も多い寝室への設置)、こまめな窓開け(花粉症の時期は注意が必要です)など、鼻呼吸をサポートする環境を整えましょう。
2.睡眠時の口呼吸対策
睡眠中に口が開いてしまう場合、鼻呼吸を妨げる大きな要因となります。
睡眠時の口呼吸を防ぐための方法として、以下の工夫も有効です。
・口閉じテープの使用
市販されている専用の口閉じテープを使用すると、寝ている間に口が開かないようサポートできます。
これは特に、子どもが寝ている間に無意識に口呼吸をしてしまう場合に効果的です。
・睡眠環境の改善
枕の高さや寝具の選び方も重要です。
首や頭が適切に支えられる枕を選ぶことで、気道が確保され、鼻呼吸がしやすい体勢を保てます。
3.舌と口周りの筋肉トレーニング
鼻呼吸を習慣化するためには、舌や口周りの筋肉を鍛えることが有効です。
これらの筋肉が正しく機能することで、自然と舌先が正しい位置(上の真ん中の前歯の後ろの歯茎の部分=スポット)に保たれ、気道が開き鼻呼吸が促されます。
・簡単なエクササイズ
たとえば、舌を上顎に押し当ててキープする「舌トレーニング」や、「あいうべ体操」など楽しく取り組めるお口の体操もあります。
お口の周りを鍛える方法もお子さまにもわかりやすくご家庭でも実践できるよう当院で指導を受けることも可能です。
・食事での工夫
噛む力を鍛えることも重要です。硬めの食材を取り入れることで、咀嚼筋が鍛えられ、舌や口周りの筋肉が自然と強化されます。
日常のお食事の中でぜひ取り入れてみてください。ご家庭の協力もお子さまの口呼吸改善につながります。
4.矯正装置を活用した治療
口呼吸の根本的な原因が歯並びや顎の狭さにある場合、小児矯正治療が有効です。
矯正装置を使って顎を広げることで、鼻腔も拡がり気道が確保され、鼻呼吸がしやすい状態を作ることができます。
当院ではマイオブレースという矯正装置を利用して成長期のお子さんのお口の成長をサポートしています。
マイオブレース小児矯正は、口まわりの筋肉の機能を正しく改善するためのマウスピースを使用し、さらに「アクティビティ」と呼ばれる口腔機能を向上させるトレーニングを組み合わせる矯正方法です。
この方法により、後戻りしにくい安定した歯並びを実現します。
マウスピースの装着時間は、日中1時間と就寝時のみで負担が少なく、さらに1日5分程度の簡単なトレーニングを行うことで、きれいな歯並びを目指すことができます。
忙しい日常の中でも続けやすい矯正方法として、多くの方に選ばれています。
5.親御さんのサポート
鼻呼吸を習慣化するには、親御さんの協力も不可欠です。
家庭での声掛けや日常生活の見直しを通じて、お子さんが自然に鼻呼吸を意識できるよう支援しましょう。
また、鼻呼吸のメリットを分かりやすく伝えることで、子ども自身が前向きに取り組むきっかけを作ることも大切です。
■鼻呼吸を定着させていきましょう
鼻呼吸を習慣化することは、子どもの健康や成長に欠かせない重要な要素です。
鼻呼吸により酸素が効率よく身体や脳の細胞に取り込まれることで、集中力や持久力が高まり、学業やスポーツでも良いパフォーマンスを発揮できます。
また、顎や顔の骨格が正しく発達し、整った歯並びやバランスの取れた顔立ちにもつながります。
一方で、口呼吸が続くと、虫歯や歯周病、口臭だけでなく、感染症や睡眠障害のリスクも高まるため注意が必要です。
こうした健康リスクを防ぐためには、早期に対策を講じることが重要です。
汐入駅前、横須賀の当院では、鼻呼吸を習慣化するため小児歯科や小児矯正の視点から、お子さん一人ひとりに合った治療やアドバイスをご提案いたします。
お子さんの口呼吸や歯並びにお悩みがある場合は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。一緒にお子さんの健やかな成長をサポートしていきましょう。
福岡「みらいクリニック」 あいうべ体操 – 福岡のみらいクリニック %