症例
こんにちは。
汐入駅前歯科の中山です。
やっと涼しくなったかなと思ったら、最近は寒い日が続いていますね。
インフルエンザも例年より早く流行り始めているようで、先日予防接種を受けてきました。皆さんもお身体にはお気をつけください。
さて以前ブログを書かせていただいた時に、根管治療の概要について触れましたが、今回は写真付きで最近の根管治療の1症例を載せたいと思います。
患者様より、左上の1番奥の歯が腫れたとのことで拝見させて頂くことにしました。歯茎より上の部分が大きく赤く腫れているのが分かるかと思います。
歯の頭の部分は見えますが、根っこの部分は歯肉に隠れてわからないので、まずはレントゲン写真を撮り、根の状態を確認していきます。
1番右の歯が腫れている歯のレントゲン像になります。
上の歯なので、画像の下の方が歯の頭で、画像の上の方が歯の根っこになります。
他の歯との違いがあるのですが、分かるでしょうか。
他の歯と違って、根の先が黒っぽくなっているのが分かります。
これは主に根の中の細菌の影響で、骨を一部溶かしてしまっている状態なのです。
骨が溶けた分、根の先が黒っぽく見えています。
これから根の中をしっかりお掃除してキレイにし、できるだけ細菌を減らしていく根管治療をしていきます。
これは治療の途中経過の写真です。しっかり根の先までお掃除ができているか確認するため、掃除する器具を入れたままレントゲン写真を撮っています。
しっかり根の中をキレイに出来たら、根の中に神経の代わりのお薬を詰めていきます。
実はこのお薬は抗菌性があるわけではありません。根の中を緊密に詰めることで細菌がまた入り込んで来ないようにすることを目的としています。
治療の最後に金属のかぶせものを入れたところの写真です。最初に見られた歯肉の腫れが落ち着いているのが確認できると思います。
今のところ経過は良好ですが、これからも予後は追っていきたいと思います。
根管治療は、とても診断・手技が多岐にわたる、難しくて複雑な治療です。治療介入しても必ず良い方向に持っていけるわけではありません。報われないこともあります。
しかし建物に例えたら、基礎工事に当たる重要な分野です。回数がかかってしまうこともありますが、治療にあたらせていただく際には、最善を尽くしてまいりたいと思います。