意外と知られていないフッ素の正体について
こんにちは!
医療法人社団SED 汐入駅前歯科、トリートメントコーディネーターの湯本です。
いつもご来院ありがとうございます。
今回のテーマは「フッ素」です。
虫歯予防といえばフッ素。
皆さまはフッ素についてどれくらいご存知でしょうか?
今回は意外と知られていないフッ素の正体についてお話ししたいと思います。
フッ素についてのよくある勘違いの一つ。
「フッ素って薬でしょ?」
患者様からよく聞かれる質問です。
答えは×。
実はフッ素は自然界のなかに広く存在する天然成分で、身近な食品、たとえばお茶、海草、魚介類などに多く含まれ、私たちは毎日の飲食からフッ素を摂取しています。
これから迎える暑い夏。生ビールがすすむ時期になりますが、麦からできるビールにも多くのフッ素が含まれているんです。
WHO (世界保健機関)やFAO(国際連合食料農業機関)が「歯の健康に有益」と認め、むし歯予防のために世界中で積極的に使われています。
30年前、理事長の山口が歯科医師になった頃、今では当たり前のフッ素も日本では虫歯予防にフッ素がほとんど使われていなかったそうです。当時は今では考えられない虫歯天国の日本でした。見かねたWHOが「子どもの虫歯を効果的に減らすために日本はフッ素を積極的に使いなさい!」と勧告を出したほどです。
おかげで今では、日本でも多くの子供たちが虫歯予防にフッ素の恩恵を受けれるようになりました。
フッ素のすごい働きには、大きく分けて3つあります。
① 虫歯のなり始めの時期、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出していきます。溶け出し続ければある時、穴があき虫歯になります。しかし、フッ素は唾液のなかに溶け出した歯の成分、カルシウムとリン酸が歯に逆戻りさせ、歯が修復されるスピードを増して虫歯の進行を抑制する働きがあります。(歯の再石灰化)
②フッ素には抗菌作用があるので、むし歯菌の活動を抑える働きをします。
③フッ素といっしょに修復された歯の結晶は、 もとの歯よりも硬い結晶になるので、むし歯になりにくい丈夫な歯になります。
適切な濃度がお口のなかに長く保たれるほど、これらの効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき剤には、こうした効果が発揮されやすい適切な濃度が配合されています。
ところで、日本ではこれまで歯みがき剤は1000ppmF 以下のフッ素濃度と定められていましたが、2017年3月に、国際基準(ISO) にのっとった、より効果の高い1500ppmF配合が認められました。1500ppmFといえば、予防先進国のスウェーデンをはじめとする諸外国の歯みがき剤と同じ濃度です。
フッ素の使用基準については、フッ素利用にとても積極的な国とそれほどでもない国があるので、その国の方針によってさまざまです。
日本では、歯磨き剤に上限 1500ppmF の配合が認められるにあたり、歯みがき剤メーカーの団体(日本歯磨工業会)が相談して、大人用の1500ppm配合の歯磨剤については「6歳未満の使用はお控えいただく」という自主基準を設けました。
歯の形成期である6歳未満は、歯磨剤から過剰のフッ素を毎日飲み込むと、歯に白斑(斑状歯)があらわれることがありますが、永久歯のエナメル質が完成する6歳以降ではまずこの心配がないと考えられるため、6歳未満のお子さんには低濃度フッ素配合の子供用歯磨き剤の使用を推奨しています。
国際基準の高濃度フッ素配合歯みがき剤や、6才以下のお子さん用のフッ素配合歯みがき剤が当院で販売されています。
子供用としてライオンが販売している「チェックアップ」は年齢によって、3種類のフッ素濃度からお選びいただくことが可能です。
どれが良いのか迷ったときにはぜひスタッフにご相談くださいね!
汐入駅前歯科では、患者さまのご要望に応えられるよう、いろいろな製品を取りそろえています。ぜひピッタリの製品を選んで毎日のセルフケアにお役立てください。