ポルトガル研修記
ポルトガル、リスボンのマロクリニックでの研修はたいへんハードなスケジュールでしたがたいへん重要な経験になりました。
学んだことは患者様の外科的な負担を大幅に軽減するインプラント術式。
インプラントの歴史は40年前にさかのぼり、現在ではその高い予知性が多くの論文で実証されていますが、今後は外科的な負担を極力少なくすることが課題であり、その方法が海外では芽生え始めています。
人生80年時代。
一方で歯の寿命は体の寿命にまったく追いついていないのが現状です。
それを改善できたら、そんな思いで出かけた今回の研修でした。
最終日はバスで観光に出かけました。
一番の目的地はロカ岬。ロカ岬はユーラシア大陸の最西端、北緯38度47分、西経9度30分、西には大西洋がはてしなくひろがります。
まっすぐ西に航路を取れば、アメリカのフィラデルフィアに到着する、そんなロケーションです。
ポルトガルの詩人、ルイス・デ・カモンイスの叙事詩「ウズ・ルジアダス」の一説「ここに地終り海始まる」(「Onde a terra acaba e o mar começa 」)を刻んだ石碑が建っています。
たしか1991年だったと思いますが、作家宮本輝の「ここに地終わり海始まる」を読んで以来、私は無性にロカ岬を訪れてみたくなりました。
大陸が終わり眼前に大海原が広がる絶景。
太古の人々が大陸を西へ西へと進み、ついに西の果て、ロカ岬の断崖絶壁にたどり着いたとき、大海原を前に呆然と立ち尽くすと同時にこの海のかなた先に何か大きな大きな夢を抱き、わくわくとしたことでしょう。