TCHについて
こんにちは。
医療法人社団SED汐入駅前歯科、歯科医師の熊谷です。
11月も下旬になり、朝晩寒くなってきていますので、季節の変わり目は特に体調管理に気を付けていきましょう。
さて、今回は、虫歯や歯周病以外の痛みの原因、TCHについてお話させていただきます。
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略で日本語では上下歯列接触癖といいます。
突然ですが、テストを行います。
背筋を伸ばし、軽く目を閉じて安静にしてみてください。
この時、上下の歯はどうなっていますか?
上下の歯が触れているところはありますか?
触れている⇒TCHの可能性高い
触れてない⇒TCHはない、または弱い
上下の歯が接触していたら、その状態はTCHです。
TCHとは安静にしている時に上下の歯が接触している状態のことをいいます。
通常、安静にしている状態では唇を閉じている時も上下の歯は接触していません。上下の歯の間は約1~3㎜の隙間が空いています。これを安静空隙といいます。
普段、接触するのは食事などで物を噛むとき、飲み込むとき、または喋っているときなどの瞬間的に接触するのみで、1日約17.5分と言われています。
日常生活を振り返ってみてください。
緊張している時、勉強での集中している時、細かい作業している時などストレスかかっている時に上下の歯が接触していませんか?
このような状況で歯の接触を繰り返していると脳が接触していることに慣れ、接触している状態が普通になってしまいます。
長時間、歯の接触している状態が続けば、歯ばかりではなく噛むときに使う筋肉や顎の関節への負担が増え、色々な問題を引き起こす可能性があります。
先ほどのテストで歯が触っていなくても日常生活で気づくことがあるかもしれません。
頬の粘膜や舌のふちに歯の痕が見られるような方は長期に弱い力がかかり続けている可能性があります。
では、TCHがあるとどのような問題があるのか見ていきましょう。
- 顎関節症
顎関節症は一つの原因で発症するのではなく、いくつもの要因が重なって起こると言われています。その一つにTCHが含まれています。
- 歯周病の悪化
歯周病は歯の周りの組織が弱ってくる病気です。その弱っているところに長時間、力がかかると歯を揺さぶり、歯周病が急速に進行する可能性があります。
- 歯が痛い
虫歯や歯周病ではないのに歯が痛い場合があります。
TCHにより歯の感覚が過敏になり痛みを感じる場合や、知覚過敏の症状が出たりする場合もあります。
今回お話ししたことで、自分も歯の接触していたかもしれない、歯が痛いなど思い当たることがありましたら一度ご相談ください。