【幼児の時に中耳炎になったことがある子供の歯並びが悪くなるのはなぜ?】
2歳、3歳、4歳の幼児のお子さんの子育てに奮闘していた時、お子さんが中耳炎になった経験はありませんか?
この幼児の時期に中耳炎になった多くのお子さんが永久歯に生え変わった時、歯並びが悪くなる事実をご存知でしたか?今回は耳と歯並び、一見何の関係もないように思えるのに実は大いに関係がある、そんなお話をいたします。お子さんの歯並びが気になるお母さんにとってとてもためになるお話です。
そもそも中耳炎の原因ってご存知ですか?
よく聞く病気だしご自身が中耳炎になったことがある方も多いと思います。
初めに、なぜ中耳炎になるかをご説明します。
耳は鼻の奥ののどに近い部分と、耳管(じかん)という細い管でつながっています。耳管の出口は喉に近いところにあります。つまり、耳とのどはつながっている、そんなイメージです。
私たちが吸っている空気の中にはたくさんの細菌やウイルスやチリが漂っています。新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスもしかりです。正しく鼻で呼吸しないで口で息をする口呼吸をしていると、そういった細菌やウイルスが口からのどに侵入してきたとき、喉に近いところにある耳管の入り口にこういった細菌やウイルスが付着してしまい、感染することが原因で中耳炎を発症します。
左の図を見ていただくと分かるように子供の時に耳管が水平だったものが大人になると傾斜が付いてきます。
簡単にわかりやすく言うと、傾斜が付いてくれば侵入してきた細菌が洗い流される作用が生じるため中耳炎になりにくくなります。
幼児期に上顎骨の成長発育が悪いと、この傾斜がなかなかできてこないため感染しやすくなり、中耳炎になりやすくなります。
つまり幼児期に中耳炎になりやすい子は上顎骨の成長発育不全のため、6歳前後に永久歯に生え変わるときに歯が並ばない、つまり歯並びが悪くるということなのです。
上顎骨が正常に発育するためには鼻で呼吸することが絶対条件です。ここは大切なポイントです。
がい骨の赤い部分が上顎骨です。上顎骨は上の歯を支えるだけでなく中顔面と言って顔の真ん中を作っている巨大な骨です。その真ん中を鼻腔が貫いています。この鼻腔を空気の出入りがないと上顎骨は発育しません。
つまり、きちんと鼻で呼吸ができている子は上顎骨が正しく発育するために中耳炎になりずらくなります。そして、永久歯に生え変わったときに歯並びも良好です。
歯並びが悪くならないようにするためには、4歳ぐらいになったら口呼吸から鼻呼吸に改善するためのトレーニングを実施することをお勧めします。
医療法人社団SEDでは4歳から始められる「6か月の呼吸改善プログラム」を口呼吸のお子さんに提供しています。治療期間は6か月間です。
こども矯正 マイオブレイス認定クリニック
理事長 山口和巳