こども矯正と大人矯正の違い
こども矯正と大人矯正の違いっていったい何ですか?とよくお母さんに聞かれます。
明確な答えは「実は治している場所が違う」という事です。
勿論、どちらも歯並びを治す事に違いないのですが
大人矯正はワイヤーを付けて歯を動かす事によって歯並びを治していることに対して
こども矯正が治している所は、実は歯ではなく上顎骨です。
上顎骨というのは上の歯を支えている骨なのですが、
実はそれだけではなく、鼻の横を作り、目を支えている部分も作り、さらに頭の骨にも繋がっている顔の真ん中を作る巨大な骨、それが上顎骨なのです。
そしてその上顎骨の真ん中に鼻腔があります。
鼻の穴は小さいですが、鼻腔は実は凄く大きな広がりがある空洞です。鼻で息をして鼻腔を空気が出たり入ったりして初めて上顎骨は成長していきます。なので、こども矯正でまず一番初めに行う治療の土台というのは口呼吸から鼻呼吸への改善です。
鼻で呼吸ができるようにならなければ上顎骨は大きくならないばかりか成長方向もくるっていきます。
ただ、上顎骨が成長し続けるのは12歳までです。
12歳を過ぎると上顎骨の成長は非常にゆるやかになります。12歳というのは永久歯が生えそろう頃です。
永久歯が生え揃ってしまった後は歯並びを治そうと思うと上顎骨は治せないので、歯を抜いて28本ある歯を24本に間引いて成長しきれなかった小さい上顎骨に合わせて歯の数を減らして、針金を入れて歯並びを治していくというのが一般的な大人の矯正です。勿論これも悪くない方法です。当院も12歳以上のお子さんにはこちらの治療方法を積極的に行っています。
こども矯正は約3年かかるので遅くとも8歳くらいまでにはスタートをしていきたい治療です。その年齢であれば上顎骨をその子本来の正しい大きさに発育させることで歯並びも綺麗に改善していける。それがこども矯正です。
まとめますと
こども矯正と大人矯正では治している場所が違います。こども矯正は歯並びを悪くしている根本原因である上顎骨をきちんと成長発育をさせていく治療である、ということです。勿論こども矯正と言ってもこども用のワイヤーも使います。
ただこれは大人の矯正のワイヤーと違い、歯の裏側に貼るのでお友達から見えず、大人の矯正特有の痛みもほぼありません。子供の成長発育によりそった子供にとって非常に負担の少ない矯正治療と言えます。
以上がこども矯正とおとな矯正の違いです。