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表情筋について

歯並びを悪くする抵抗勢力「表情筋」

 

これからこども矯正を始めていく皆様に是非知っておいてほしい言葉があります。

それは「表情筋」(ひょうじょうきん)という言葉です。

今後、繰り返しこの表情筋という言葉を使っていきますので是非覚えてください。

表情筋とは簡単に言うと口まわりの筋肉です。

「口輪筋」(こうりんきん)、「頬筋(きょうきん)」、「オトガイ筋」、この三つを主に表情筋と言います。

この3つの筋肉が実は歯並びに大きな大きな影響力を持っているのです。悪い影響力ですが。

 

口輪筋というのは唇周りの筋肉です。

頬筋というのはほっぺたの筋肉

オトガイ筋というのは下あごの筋肉です。下あごの筋肉というのは力を入れると梅干しみたいになる筋肉です。

この表情筋と呼ばれる口輪筋、頬筋、オトガイ筋この三つが実は歯並びを悪くしている大きな原因となっています。

もちろんこれは筋肉が悪いわけではなく、歯並びが悪い子はこの三つの筋肉が発達してしまっているのです。

なんで発達してしまったのか?それは鍛えているから、筋トレしているからです。

えー、筋トレなんかしてないよと皆さんおっしゃると思いますが、いや、してるんです。

 

では、いつしているのか?

実は嚥下をしている時です。

 

ごっくんと飲み込む時にこの表情筋に力を入れて飲み込んでいるのです。

これは見ればすぐにわかります。

ごくん、と飲む時に口まわりの筋肉が動いたら、それは筋トレしていることになります。

これを筋トレ嚥下と私は呼んでいます。

人は1日に2000回くらい嚥下しています。

表情筋に力をいれて嚥下していると毎日2000回筋トレをすることになります。

毎日、毎日、2000回腕立て伏せをするとどうなると思いますか?ムキムキの腕になりますよね、あとムキムキの胸もムキムキになります。

素晴らしい体つきの筋肉になると思います。

つまり2000回筋トレ嚥下をしていたら非常に強い口輪筋、頬筋、オトガイ筋になってしまいます。

ごくっと飲み込む度にこの筋肉がぎゅっと収縮して歯の外側から歯を内側に押し込むような力をかけていきます。

要するに指しゃぶりをしていると出っ歯になりますが、指しゃぶりと逆の方向、口の中に歯を押し込む力を毎日かけていくことになります。

そうすると上顎骨が育たず、更に歯並びも中に押し込められて凸凹していくという結果になっていきます。

なのでマイオブレイス矯正で治していくのは、もちろん根本的な土台は呼吸です。

呼吸が改善しなければ上顎骨は成長していきません。

呼吸を改善して、上顎骨が成長する環境を作った上でこの表情筋が歯や上顎骨に悪い力をかけないようにしていきます。

 

表情筋は抵抗勢力です。

上顎骨が成長しようとする、歯並びがキレイになろうとすることにたいする抵抗勢力です。

これからの矯正治療を通じ、呼吸を改善しさらにこの抵抗勢力である表情筋も改善していきます。

私はお子さんが診療でいらっしゃるたびに表情筋の動きをみてお話していきますので「表情筋」という言葉をぜひ覚えておいてください。

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