口呼吸をしている子は嚥下機能にも問題が生じます
こんにちは!
医療法人社団SED、理事長の山口です。
口呼吸をしていると上顎骨の発育が悪くなると他のブログでお伝えしました。
口呼吸のお子さんに共通するもう一つが不良嚥下(ふりょうえんげ)です。
つまり、正常ではないゴックン。別名、乳児嚥下(にゅうじえんげ)とも言います。
乳児嚥下とはまだ歯が生えていない乳児の時にしている嚥下方法です。
奥歯を噛むときに使う筋肉が咬筋(こうきん)です。まさに咬む筋肉。
正常な嚥下は奥歯をしっかり噛んで嚥下します。
つまり、咬筋を使って嚥下します。
でも、赤ちゃんには奥歯がないので噛むことができません。
つまり、咬筋が使えないのでその代わりに嚥下に使う筋肉が表情筋です。
表情筋とは、口周りの筋肉のことです。
代表的な表情筋は3つ。口輪筋(こうりんきん)、頬筋(きょうきん)、オトガイ筋です。
口輪筋は唇まわりの筋肉、頬筋はほっぺたの筋肉、オトガイ筋は下あごの筋肉で力が入ると梅干しのようになる筋肉です。
では、なぜ口呼吸のお子さんは咬筋を使った正しい嚥下ができないのでしょうか?
口呼吸のお子さんは舌の位置にも問題が生じているからです。
しゃべっていないときには、舌の先は「上の前歯の裏当たりの歯茎の部分(スポット)」に軽く触れているのが正常です。
しかし、口呼吸のお子さんは舌がこの位置についていません。下がってしまっています。
舌が正しくスポットについていれば口では呼吸することができません。
なぜならば、舌は巨大な肉の塊なので舌がスポットについていたならば舌が邪魔して口では呼吸ができないからです。(やってみるとわかりますがとてもしずらいです。)
嚥下するときに舌の先端がしっかりとスポットについていないと奥歯をしっかりと咬んで嚥下することができません。つまり、咬筋を使って嚥下できないためにその代替として表情筋に力を入れて嚥下をすることになります。
表情筋は歯の外側にある筋肉のため、表情筋が強く動くと歯を外側から内側に押し込む力をかけてしまうために歯が中に中に入ってきてしまい、その結果歯ならびに凸凹が生じてしまいます。
この口輪筋、頬筋、オトガイ筋が歯ならびを悪くしている大きな原因となっています。
表情筋は文字通り私たちの表情を作るために大切な筋肉ですが、嚥下をするときにこの筋肉を使うのが良くないのです。
人は1日に2000回くらい嚥下しています。
ごくっと飲み込む度にこの筋肉がぎゅっと収縮して歯の外側から歯を内側に押し込むような力をかけていきます。